MESSAGE

メッセージ

「昔のやり方が通用しない」という大変革時代の今をチャンスと捉え、新たな仕組みづくりに挑戦してほしい。

取締役 常務執行役員

秋山 和浩KAZUHIRO AKIYAMA

東海澱粉の事業の特徴について教えてください。
「問屋」と「商社」の両方の役割を担い、地域に根ざした事業展開を行なっている点が特徴です。食品業界というのは衣食住に関わる人間の基本となるビジネスの中でも特に市場の裾野が広く、中小企業もたくさんある業界で、全国津々浦々、地域によって特徴やこだわりもあります。だからこそ、全国に拠点を構えている東海澱粉の強みが活かせると考えています。
また、農産物や水産物、畜産物、冷凍食品業界、インスタントラーメン業界、リテール……これだけ食にまつわる業界に入り込んでいる同業他社は、あまりないと思います。業界には業界の中のルール・慣習があるのですが、東海澱粉は色んな業界と取引があるため、「この考え方や、やり方を別の業界に取り入れられないだろうか」というアイデアが湧きやすい会社だという点が特徴的です。
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東海澱粉の現在の課題は何ですか?
「成長戦略が描けていないこと」は、東海澱粉にとって一番の課題ではないかと思っています。これまでの我々の大きな特徴のひとつは、日本国内に約60箇所の営業所があり、地域に根ざした営業活動で関係性を築いてきたことでした。なぜ、こういったビジネスのあり方になっているかというと、昔からマーケットイン(お客様の声や意見を起点に企業が商材やサービスを提案し、顕在的なニーズを満たすこと)の考え方だったからです。地域の中に入り込んで、他社がやらないようなことまで我々が引き受けてマーケットにあるものを根こそぎ拾う……というやり方で今まで機能していました。しかし、今後さらに事業を成長させるには、能動的にマーケットを調べ、提案していく力が求められます。明確な成長戦略がなければ、若い人も「ここに入って一緒に仕事をしたい」という気持ちにならないでしょうからね。
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「成長戦略が描けていない」という課題に対して、東海澱粉が現在取り組んでいるチャレンジ、変革の内容や意図について教えてください。
成長戦略の一環として「新事業構築検討会」と「営業所戦略検討会」を立ち上げ、推進しています。いずれも、今まで東海澱粉になかったものをゼロベースで作り上げるための検討を行っているところです。
「新事業構築検討会」については、思いつきや成り行きで依頼された仕事を進めるのではなく、よく俯瞰してマーケットを見つめ、分析して、セグメンテーションをしてターゲティングして、ここを攻める…というような正に事業計画を会社の中で作るための検討会です。我々はある意味、「モグラたたき」的に何かが起きるとそれに対応する能力は当社は既に保有していると思っています。ただ、全体を見た中でうちの戦い方、どういうところがヒト・モノ・カネを作ってどれだけ短い時間で結果を出せるのかどうかということを、今後はやらなければいけないと思います。
また、何かクレームやトラブルが起こった時のアクションは非常に早く、適切にできると思っていますが、その一方で、1箇所で起きた問題を会社全体の問題として捉えることについては非常に弱いというのが現状です。「他の営業所で起きたことだから、うちには問題ないだろう」と思い込んでしまうところも我々のカラーとして存在していました。本来はグループ会社で起きた問題を、自分の営業所・部署でも起きないように対応することが非常に重要ですが、その当事者意識が足りていません。組織的に問題点を深堀りする仕組みを作ることに力を入れ、東海澱粉の信頼力を上げる意識を持っていく必要があると感じています。
「営業所戦略検討会」については、今まで問題のあった部署が報告をする場はあったのですが、良い取り組みをした部署の情報共有をする場がなかったため、営業所戦略検討会ですべての部署の発表をしてもらうことにしました。そうすることで、他の部署でも良い取り組みを取り入れやすくなり、悩んでいたことが解決でき、結果、数字を伸ばすことができるのではないかと思っています。
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会社と社員の関係性や裁量の大きさなどの特徴をお聞かせください。
「仕事」を「作業」として捉えないための人材育成には、東海澱粉は昔からとても力を入れています。あえて分業制をとらず、自分で一から十まで考えるという働き方を、営業職はもちろんのこと、他の管理部門や事務の仕事でも当社の社員は実践しています。この育成方針は、極めて珍しいことだと思います。きっと、多くの会社は効率を求めますから。もちろん、我々も効率を求めてはいますが、それ以上に人をじっくり育てることを大切にしています。その結果、社員一人ひとりが自分で考え、自立する意識が非常に強い組織になりました。 自分で仕入れて、自分で売ることがいかに大事なことなのか。自分で買うからこそ、その商品に対しての想いが生まれます。与信管理や品質保証といった、他社では別の部門が担当する領域の業務も、営業職の社員は自分で対応しなければならないため、業務内容は多岐にわたります。他の人がサポートすることでもっと効率よく仕事をすることができるのかもしれませんが、あえて自分でやることによって提案内容の厚み・深みがお客様に伝わると思っています。この育成方針は東海澱粉が一番力を入れているところなので、不変な部分ですね。
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「転勤」に関しての東海澱粉の考え方や、今後の方針について教えてください。
転勤・異動というのは、仕事の目線が変わったり、経験値を積む上で重要な要素で、人材育成の一環でもあるため、ゼロにすることができないのは事実です。「すべての異動は栄転」というぐらいの気持ちを持ってもらいたいですし、私自身も常にそういう気持ちで辞令を発令しています。
ただし、昔とは意識を大きく変えていかなければいけないと考えています。仮に同じ営業所の先輩が2人いて、両方が結婚していると、アフターファイブが1人になってしまいますし。また、家族がいる社員の単身赴任も、決して良いことではないと思っているので、若手の居心地の良さを考える必要があると思っています。
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新入社員に期待する役割などはありますか?
新入社員には、コロナ禍という100年に1回くらいの大きな変化をネガティブではなくポジティブに捉えてもらいたいと思っています。今までの営業スタイルが通用しなくなり、遠隔でのプレゼンや、プレゼンの質も求められる形に変化しました。先輩がすぐそばで「こうしろ、ああしろ」と口を挟む時代じゃなくなったというのは、ある意味、若い人たちにとってはすごいチャンスですよね。このビジネススタイルをどういう風に考えていくのか、そこに力を入れるべきなんじゃないかと思っています。
オンライン会議ツールを使って、現場でお客様と本社をどう繋ぐのか、どういう風に対応するかといったコミュニケーション力や行動力も求められます。パワーポイントの共有で、プレゼンテーション強化を推進しています。あとは、想像力。お客様はみんな悩んでいます。食品業界だけでなく、他の業界も。誰もが以前と同じスタイルに戻ることはないと思っている中で、どういう風にしていけばいいのか企画提案できる立場になってほしいです。
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どんな人材を求めていますか?
社会人人生というのは非常に長いものですから、その中で勘違いをして天狗になってしまうこともあると思います。私自身にもそんな時期がありました。しかし、そういう時に会社が色々とアドバイスをしてくれて、仲間を信じて自分のやりたいことができるのが東海澱粉という会社の良いところであり、面白いところでもあります。簡単に諦めないでほしいし、簡単に投げ出さないでほしい。努力から得られることは無限にあります。 今後、みなさんが入社する企業の30年後はどうなっているのか、産業はどうなっているのかを考えることが一番大事。この業界に覚悟を持って、この業界でやっていくんだという想いを持ってる人でないと続かないと思います。
ただ単に「食が好き」であったり、「食というのは景気に左右されにくいから安定しているだろう」ということで東海澱粉を就職先の候補にする人もたくさんいると思います。しかし、この業界の中で自分が生き延びていくためにはどういう覚悟をしないといけないのかということは常に意識してもらいたいですね。
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就活生に向けたメッセージをお願いします。
社会人人生の中で大事なポイントはいくつかあると思うのですが、「諦めないこと」が大事だと思っています。すぐに挫折してしまったり、自分の限界はここまでだと諦めてしまうような人は、どこの会社でもきっと長続きしないのではないのかなと思っています。そうならないためには、努力を怠らないことが必要です。
ただ、努力の仕方や質が、社会人と学生と違うところで。ただ何でも勉強していればいいというものではなく、成果のための努力をしなければいけません。そこが一番大事だと思っている。学生と社会人の違いは、学生は学校に対してお金を払っている、ある意味消費者です。一方、会社に入っているということは、社会や消費者からお金をもらっているというわけですよね。「社会や消費者に貢献する」という意識をしっかりと持って、自分がこの業界で生きていく覚悟を持って仕事に向き合いたいと思ってくれる方、その上で努力を怠らない方には、ぜひ東海澱粉に入ってもらって一緒に活躍していただきたいと思っています。
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