INTERVIEW

先輩社員インタビュー

働く姿を通して子どもに、後輩に、伝えたいこと。

入社21年目 静岡営業所 所長

※役職・社歴は、取材当時のものです。

殿村 絢子AYAKO TONOMURA

人と対話し、関係を築く。
もともと営業がやりたくてTDCに入社した私ですが、入社当時はまだ女性の営業がほとんどいませんでした。新卒採用された営業職40名のうち、女性は私を含めて4人だけでしたし、営業職の女性の先輩はたった一人。そんな環境の中で営業の道を突き進んできて、気が付けば入社21年。今年の4月からは14名の部下を抱える静岡営業所の所長を任せていただいています。

営業として数々の現場を経験する中で、私が見出したのは「営業は人と人との関係づくり」であり、相手との対話が大切だということです。最初にそのことを強く感じたのは入社して4年後、初めての海外出張で中国へ出向いた時のことでした。
当時、私は農産物加工メーカーの担当で、中国から輸入した筍を国内に販売していました。競合他者との価格競争がとにかく激しく、満を持して臨んだ中国出張では、品質を維持しつつ、価格をいかに下げて供給頂くかがミッションでした。そしていざ単身中国へ。驚いたのは、中国では商談後、たくさんお酒を飲むんですよね。当時25歳だった私も、現地メーカーの社長や担当者の方々と一緒に白酒や紹興酒を頑張って飲みました。つい記憶が無くなるくらい…。翌日、社長から「そちらの希望価格で進めましょう」と承認していただけました。もちろん、お酒の席だけの話ではないですが、電話やメールといったやりとりだけでなく、直接得意先、仕入先含む取引先様と顔を合わせて話し、人間関係を築くのは、営業にとって大事なんだと感じた出来事でした。
殿村 絢子
「私もいつかこうなりたい!」
尊敬できる上司との出会い。
「殿村さんは相場状況を全然分かっていないね。ただ単に見積もりを出すだけじゃダメですよ!」
浜松営業所にいた当時、私はあるお客様からお叱りを受けてしまいました。出した見積もりがお客様の考えと大きく外れ、逆鱗に触れてしまったのです。

すぐに所長に報告すると、「お客様のところへ一緒に行こう」と同行してくださいました。訪問すると、やはりお客様はとてもお怒りで…何度も謝罪しましたが私の思いは届かず、ついには「もう取引をやめます」とまで言われてしまったのです。
すると、それまで黙っていた所長が「殿村の失敗はすべて私の責任です。ただ、殿村も悪気があってやったわけではありません。一方的に取引をやめるとおっしゃるなら、甘んじてお受けします」とひと言。私を庇って取引を辞めても良い、とまで話してくださった所長の言葉に、大きく衝撃を受けました。
結果、お取引が無くなるような事態は避けることができましたが、それ以上に「私もいつかこんな上司になりたい!」と強く思ったのを覚えています。それまでは営業で成績を出すんだ、と一人で意固地になっていたところがあったのですが、仲間や営業所全体で協力して売上を伸ばしていくことや、仲間一人ひとりの思いを大事にすることの大切さに気付かされた瞬間でもありました。

所長という立場となった今、大事にしているのは営業所員と対話し関係を構築していくことです。一人ひとりがどんな思いを抱いているのかを知り、その思いの実現を全力でサポートすることが所長として私ができることだと思っています。
殿村 絢子
結婚・出産。
家庭と仕事の両立に悩んだ日々。
仕事をする上で大きな転機となったのは、結婚・出産です。子どもが生まれるのは本当に嬉しかったのですが、元々負けず嫌いなのもあって…休職したら同期に遅れをとってしまうんじゃないか、営業の感覚を忘れたらどうしよう…と、とにかくすごく不安が大きかったです。疎外感を覚えたり、社会に置いていかれてしまうような焦りもありました。

産休・育休後は不安や焦りを抱えつつ復帰しましたが、休職前とは全く別のお客様の担当となったこともあり、状況が分からず苦労しました。とにかく必死で目の前の仕事に取り組むしかなかった日々。あまりにも毎日をがむしゃらに過ごしていたので、実は復帰直後のことをあまり覚えていないんです。幸い、私は実家が近かったため両親の力も借りながらなんとか毎日を乗り切って、復帰後半年ほどしてようやく家庭と仕事のバランスや毎日のペースが掴めるようになりました。
殿村 絢子
キャリアを諦めない。
「私にもできるかも」を増やしたい。
よく”家庭と仕事の両立”について尋ねられることがあります。正直、家事は全然できてないんです。海外出張があり家を空けることも多いし、子どもの参観日などの行事に参加できないこともしばしばあります。子ども達は、「どうしてうちのお母さんはいつもいないんだろう?」と不思議に思うこともあるみたいで。そういう時は「ママはね、仕事をしてお客様に喜んでもらえるのがすごく嬉しいんだ。ママが仕事をすることで、ママも家族みんなも幸せになればと思ってるんだよ」と、仕事をする目的を伝えるようにしています。

女性が所長になるのは私で2人目。会社にとってもある意味テストケースなんだと思います。会社もこれからは女性管理職を増やしていきたいと考えていると聞きましたし、働き方も変わってきて社員が働きやすい環境になってきています。私もまだまだ完璧ではないけれど、そんな自分の今の姿を見て、後輩達に「私でも管理職になれるかも」と思ってもらえたら本望ですね。ママでもキャリアを諦めなくていいと、私が仕事をする姿を通して伝えていきたいです。
殿村 絢子
自信を持って売れるものを自分でつくる喜び。
TDCでは自分が仕入れて商品を販売するという一連の流れに携わることができる分、そこには責任も生じます。お客様の思いを実現したい。お客様には自信が持てるものを売りたい。となれば、たとえ取引先が海外にあろうと積極的に出向いて取引先の社長や現地の工場スタッフの方々の様子を知る必要があると思っています。そして、この方々がこの工場で作った商品なら自分も買いたい!と思うことができれば自信を持って売れますし、自分で見て感じたことをお客様へダイレクトに伝えることができます。

新入社員の中でも海外で仕事したいという方は多いですし、ぜひ現地で色々なことを感じてほしいと思っています。そういった意味でも、部下や後輩達が海外に行くチャンスが持てるように働きかけるのはマネジメントに携わる私の大事な仕事の一つでもあります。そして、自分で積極的な動きがとれるからこそ、”仲間と一緒に働く”ことを大事にできる方と、一緒に成長したいなと思っています。
殿村 絢子
殿村 絢子
休日の過ごし方
家族とキャンプ、買い物、子どもの習い事の送迎(週末に詰め込みすぎて大変です)
趣味
幼少期から続けている水泳、マラソン(出産前にはフルマラソンに挑戦し、10km部門で4位入賞したことも)
現在の勤務地周辺のおすすめ
静岡といえばやはり富士山。間近でみる冬の富士山は特に絶景です。
TDCに入ってよかったこと
個人の可能性を認めてくれ、やりたいことをやらせてくれるところ。あとは何事にもめげない図太い神経を培ってくれたこと!